データ詳細表示
野生植物
整理番号 31475
和名 トウゴマ
別名 ヒマ
学名 Ricinus communis L.
別学名
科名 トウダイグサ
別科名 タカトウダイ
方言名 タンゲタス(徳之島)、タンギヤタシ、ナンブウ(奄美大島)、タンニヤーワタシ(喜界島)
法令指定・レッドデータブック掲載
分布 帰化
民間療法 種子の胚乳に含まれる油を精製したヒマシ油は、強い瀉下作用があり、常習便秘、食中毒、急性胃腸炎に用い、他の生薬と配合して皮膚病に用いる。その他、痔、駆虫、火傷、唇のひび割れ、潰瘍にも用いられる。徳之島では下痢止めに用いる。奄美大島では茎葉を煎服する。
生薬名 蓖麻子油(種子)
その他の成分利用 種子には強い毒性があり化学兵器に用いる。種子の胚乳に含まれる油を精製したヒマシ油は毒性はなく、化粧品原料や塗料に用いる。
有用・有毒成分 花、果実は、ピリドキシン、チアミン、タンパク質、糖を含む。種子は、マンノース、N-アセチルグルコサミン、脂肪油のリシノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、アミノ酸のフェニルアラニン、トリプトファン、セリン、グルタミン酸、システイン、グリシン、ロイシン、バリンアルカロイドのリシン、炭水化物のマルトース、グロブリン、ヌクレオアルブミン、糖タンパク質、リシニン、タンパク質のリパーゼ、グロブリン、グルコプロテイン、毒性タンパク質のリシン、毒性アルカロイドのリシニンを含む。葉は、シリビン、ルチン、フラボノイドグルコシドのヒペルシド、ケルセチン-3-グルコシドを含む。茎は、ジオクサン、リグニンを含む。
食用 ジャワでは花序や若い果実を煮て食用にする。ヒマシ油の絞りかすは加熱してリシンを無毒化して牛の飼料にする。
加工利用
植栽利用・観賞利用 観賞用品種とともに、花壇や切花に用いる。
参考文献 初島住彦(1986)改訂鹿児島県植物目録.鹿児島植物同好会./堀田満(1989)世界有用植物事典.平凡社./東四郎・阿部美紀子・緒方信一・飛田洋・横田和登(1976)薩南諸島における伝承的薬用及び毒性植物調査報告そのII.奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島、喜界島.鹿児島大学理学部紀要(地学・生物学)9:129-150./内藤喬(1956)奄美大島有用植物誌.鹿児島大学南方産業科学研究所報告 1(3):97-151./鹿児島県薬剤師会(2002)薬草の詩-自然とのふれあいをもとめて-.南方新社./橋本吾郎(1996)ブラジル産薬用植物事典.アボック社./三橋博(1988)原色牧野和漢薬草大図鑑.北隆館./竹松哲夫・一前宣正(1993)世界の雑草(2)-離弁花類-.全国農村教育協会./アンドリュー・シェヴァリエ(2000)世界薬用百科事典.誠文堂新光社./清水矩宏・宮崎茂・森田弘彦・廣田伸七(2005)牧草・毒草・雑草図鑑.畜産技術協会.